最近話題のワークライフバランスだが、弊社では有休を3日連続して消化せよとのお達しがあった。3日ぽっちの有休など家で寝ていたら一瞬で溶けてしまうので何かすることにした。
<1日目>
ビジネス実務法務検定3級を受験した。2022年までは合格率が80%以上だったのに2023年以降は50%前後に落ちている。急に難しくしなくてもいいじゃない。合格のコツは民法に力を入れて取り組むことなのだそうだ。「虎に翼」を見ていたからなんとかなるだろう。過去問を解いて、わからないワードが出てきたらデイリー六法を繰る日々を1ヶ月ほど続けた。うむ、さっぱり頭に入らない。文章が漢字と平仮名で書かれているのが救いだ。寅ちゃんありがとう(『虎に翼』で寅子さんが法律のカタカナ表記はやめようと提案するエピソードがあったのだ)。それに何がきついって、中高年ともなると朝晩は細かい文字が見えんのよ。近視で乱視で老眼だとメガネをかけても取っても全くピントが合わない。若いうちにもっと勉強しといたら良かったと痛感する。そういえば「勉強はできるうちにしておいたほうがいいわ」と森高千里も歌っていた。当時はうるせえなと思っていたが森高先生の仰るとおりだった。
CBT試験なので結果は即時に判定された。70点以上が合格であるところ72点だった。ITパスポートのときといい(600点以上合格で605点)溝にタイヤを嵌めてギリギリを攻める峠の走り屋のようになっている。安全運転がしたい。
<2日目>
東京・目白にある美術館「永青文庫」で菱田春草画伯の「黒き猫」の修復作業が完了し、期間限定で公開されていたので是が非でもという気持ちで東京に行った。
10年ほど前に別冊太陽「菱田春草」で「黒き猫」の存在を知り、以後「黒き猫」は死ぬまでに見たい絵として心に刻まれたのであった。修復プロジェクトのクラウドファンディングにも参加したが(とてもかわいい印伝をいただいた)、こんなに早く実現するとは。ひょっとして私死ぬんじゃないか。
ものすごい行列なのではないかと心配だったが永青文庫にはすんなり入場できた。
「黒き猫」はそこに鎮座されていた。葉が金色に色づいた柏の木の下で構える一匹の黒猫様。フワフワの毛、漆黒の艶、もっちりとした下半身の曲線、見るものを警戒する目つきとへの字の口、下を向いたお耳の透けるように毛の薄いところ、ツンとした鼻先。指先には力がこもり、今にも駆け出せそうだ。至高の美しさである。
目白駅前で降りて友人の営むブックカフェにお邪魔した。皆様お元気そうでなによりだった。新刊書籍の陳列も充実していてたいへん選書のセンスが良く、店主のお勧めする本には自然に興味を惹かれる。穏やかな音楽が流れ、トルコランプのやわらかい明かりのなか香り高いコーヒーと美味しいプリンをいただき、看板犬のポッケ氏のくりくりふわふわとした毛並みとトテトテとした足音に癒やされた。非常に居心地が良いお店で、日経新聞やトーハンのネット動画で紹介(とても良い動画なので宣伝)されたというのももっともである。書店業にはこんな可能性があるのだと希望を感じた。
固めのプリンが濃くて美味しいんですよ
台湾製のおしゃれなカップ&ソーサーは取っ手がガラスでできています
思えば私の書店員時代は朝から晩まで巷のベストセラー書籍を義務感で追いかけ、テレビ番組で紹介された本に血眼になり、5分に1度レジに呼び出されて陳列もままならず、減数されただの配本を切られただので取次と日々消耗戦に突っ込んでいた。「ばけばけ」のヘブン先生風に言えば、あれはジゴクですよジ!ゴ!ク!(ヘブン先生は毎日のようにキレていて面白いですね)
店主のおすすめで円城塔訳の「怪談」を購入。固有名詞がカタカナで「耳なし芳一」は「イヤーレス・ホーイチ」である。琵琶の音色がエレキギターに変換されて聞こえてきそうな雰囲気があるが内容はしっかり怪談なのでとても斬新だ。夕刻東京駅から北陸新幹線「あさま」に乗り、1時間半ほどで上田駅に到着した。今年の2月ITパスポートの試験に合格した報告をしに上田城へ行きたかったのだ(いきさつは今年2月の日記参照)。紅葉の時期は長野のホテルは混むのだが上田駅から徒歩3分のビジネスホテルに宿泊することができた。
山賊焼き定食¥1,199 旅先で一人ビールを飲む開放感よ
夕食は上田駅内の「上田からあげセンター」で信州名物山賊焼き定食とビールを頼んだ。鶏もも肉1枚がサクサクに揚がっており、にんにくでしっかり下味がついていた。添えられたマスタードソースが容赦なく辛くて山賊焼きにベストマッチ。仕事帰りに寄っていく方も多く、カウンターで一人で気兼ねなく食べることができたのもありがたかった。また来たい。翌朝は快晴。日差しもあたたかく絶好の旅日和となった。
上田駅前から徒歩12分ほどで上田城跡公園に到着した。上田市立博物館と上田城櫓に登れて500円のチケットがあったので購入。上田市立博物館は真田昌幸が着用した具足や肖像画、書状等々戦国時代はもちろん明治時代までの展示が豊富で面白かった。
ITパスポートの合格証を携え真田神社に行ってお礼参り
やっと来ることができた。真田の昌幸パッパと信繁さん俺やったよ!!ビジネス実務法務検定3級も受かったよー
せっかくなので絵馬も奉納してきた。合格祈願の絵馬がたくさん捧げられていた。各々方、抜かりなく!
時間に余裕があったので、少し歩いて上田市立美術館に向かった。
開催中の川瀬巴水展を鑑賞して衝撃を受けた。かのスティーブ・ジョブスが気に入っていたそうだがジョブスだけでなく誰もが感銘を受けるよ。これが木版画かと思うほど、何重にもインクを重ね、繊細で緻密に描かれた、大正から昭和初期の美しい日本各地の風景に圧倒された。盛り上がったインクに寸分のずれもない。雨に濡れて光る路面、雪の重みにうなだれる木の枝、夕暮れに昇る三日月、それらの細部に情感がこめられていた。花のある風景のなかでも箱根のつつじの庭の、目の覚めるような赤色が素晴らしかった。日本全国を旅していたという川瀬画伯、石川県の風景も数点あり、「金澤下本多町(大正十年)」は蝉しぐれが聞こえてきそうな金沢の夏の風景だった。昔の今村証券のCMがこんなのだったかな。こちらも撮影禁止だったので忘れてしまうのが惜しく、図録を購入した。重かったが買ってよかった。
上田から金沢に帰るちょうどいい新幹線がなかったので、いったん長野駅まで戻って北陸新幹線「かがやき」で金沢に帰った。








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