近頃どうも腰が痛かったんですよ。
椅子に15分も座っていると腰がチクチクとしだす。1時間も打ち合わせで座っていようものならまっすぐ立ち上がれず前かがみになる。朝起きると腰が痛くて布団の上でしばらくゴロゴロする。しかし2,3歩歩けば治るのでだましだまし過ごしていましたが、今朝はとうとう起き上がれず、靴下を履こうとするとふくらはぎがつり、かがめないので顔を洗うために洗面台に肘をついてお湯を顔にかけるといった具合でだいぶ調子が悪い。
駅には着いたものの雨で電車が運休しており、復旧する見込みがなかったので早々に出社を諦め、近所の整形外科に向かうことにしました。
…
腰痛とは長い付き合いです。社会人人生=腰痛みたいなもんです。
学校を卒業して本屋に就職したのは腰痛にかなり影響があると思います。あの頃は毎朝1箱20キロの新刊の詰まったダンボールと雑誌の束を10箱ほど台車に乗せて店舗に引っ張ってきて、夜は空いた台車に返品のつまった箱を10箱のせてバックヤードに持っていく。歴史の教科書に乗っている「産業革命時代狭い坑道でトロッコを引く子供」と自分を重ねたりしていました。
それなのに勤務中に腰を痛めることはなかったのです。勤務中なら労災も申請できたんですが、「家でアイロンをかけていた」とか「くしゃみをした」、「顔を洗っていた」といった、日常生活の些細なことで突然腰に激痛が走る。本屋を辞めても変わらず腰だけは痛い。
そのたびに整形外科に行き、レントゲンも撮ったのですがはっきりした原因はわからず「椎間板の間が狭くなっています。腰痛症ですね」と言われ、腰どころか脇腹から背中までつって体が横に傾いてるのにただの腰痛なのか…と釈然としないままヨボヨボと帰宅し痛み止めを飲んで湿布を貼って寝るのが常でした。
…
さて近所にあるのに初めてかかるその整形外科で私が「腰が痛くて予約無しで来てしまいました」と話すと、看護師さんはてきぱきと症状をパソコンにまとめてお医者さんにつなぎ、「レントゲンとMRIを撮りましょう」と案内してくれました。MRIは初めてです。
人生初MRIはピコピコガーガーといった効果音が興味深かったです。
さてお医者さんはできあがったレントゲンとMRIの写真を示し「レントゲンは、椎間板のあいだが狭くなっていますが、特に異常というほどでもありません」
あ、いつものですね知ってます。
「で、MRIなんですが 」先生は背中を縦にぶった切った断面写真をぐるぐると拡大しました。MRIはピコピコ言ってるうちにすごい写真を撮りますね。
「レントゲンでは見えないものなんですけど、3番めと4番目の椎間板の間、グレーのものがちょっとはみ出しているのわかりますか。背骨の中の髄液とか、繊維なんですけどね。飛び出しているものが周りの神経を圧迫するので腰痛の原因になるんです。これは椎間板ヘルニアですね」
ついにこの20数年にわたって付き合ってきた腰痛に名前がついた…!
私はまじまじと自分の椎間板の断面図を眺めて感慨に浸りました。
歩けないようなら手術だと言われましたが、そんな重い状態ではないので神経痛を和らげるお薬を処方してもらって整形外科をあとにしました。
家に帰って「椎間板ヘルニア」の症状を調べてみたら思い当たることばかり。背中が曲がるのは疼痛性側弯というのね。
そして処方してもらった薬がたちどころに効きました。いままでの効いてるんだか効いてないんだかわからない薬を飲み、湿布を貼り、整体に通い、ときにブロック注射までしていたのはなんだったんだ…現代医学って素晴らしい…
腰痛の原因がわかってあたらしい人生が始まったような気がします。私の椎間板3と4はトロワ君とカトル君と呼んでこれ以上はみ出さないように気をつけます。ときめいて椎間板ハーモニー。
コメント
コメントを投稿