試験帰りに観た映画について

年度末の帳尻合わせで申し込んだ業界内試験をようやく片付けた。なにせ記憶力が衰える一方なのでどうせ受けなきゃならんのなら早めに取っておこうと思った次第だが、1ヶ月に1科目のペースで受験して、まだ残り6科目も残っている。いっそ1日2科目受けたい。

試験は昼前に終わった。今回も有休を使ったのだが、試験会場を出るときにスマホの電源を入れたら会社からLINEが入っていた。確かに半日は仕事みたいなものだったが私は有休取得中なのだ。さして緊急性のある内容でもなかったのでスマホの電源は引き続き切ることにした。通信環境を遮断して楽しめることといえば…映画でも観ようか。

そんなタイミングで「BLUE GIANT」という映画を観た。この先ネタバレを含む感想なのでご注意ください。


Applemusicで配信されているのでダウンロードしました

「BLUE GIANT」は自己流でテナーサックスを吹いていた18歳の青年、宮本大(みやもと だい)が地元仙台から上京し、ピアニストとドラマーを得て「JASS」というバンドを組み、ジャズ界で非常に有名なジャズクラブ「so blue」で演奏を果たす、という物語である。

(この映画のタイトルもそうだし、ふと、ジャズにはブルーという単語がよく用いられるがなぜなのだろうかという疑問が湧いた。調べてみたら悲しい歴史があった。青色ではなく「憂鬱」を意味する「ブルー」だったんですね)

私はジャズといえば村上春樹の小説で「ワルツ・フォー・デビー」を知り、ビル・エヴァンスのアルバムを聴き、映画「BILL EVANS TIME REMEMBERED」に感銘を受けた程度の知識なのだが、劇中に流れる音楽が非常にカッコいいということはわかる。この作品の音楽はジャズピアニストの上原ひろみ氏が手掛けており、叩きつけるようなピアノ、ドラム、魂の叫びのようなテナーサックスの音に心をゆさぶられる。

大と組んでピアノを弾く沢辺雪折(さわべ ゆきのり)くんという青年は、大と同い年でたいへん腕の優れたピアニストである。優秀ゆえに礼を欠き生意気なところがあるが大の演奏に涙を流すなど根は素直である。ちなみに主人公の宮本大の声が山田裕貴氏で、雪折の声は間宮祥太朗氏だ。間宮祥太朗氏の声には優秀さが滲み出ており、山田裕貴氏のちょっと鼻にかかった声もなかなか好みだ。いっそ…

実写で良かったのでは?!

というのも演奏シーンで3Dアニメに切り替わるのだが、体型も顔も別人になってしまっているのだ。モーションキャプチャーのモデルがアニメのイメージとかけ離れた体型だったのだろうか、せっかくの演出が惜しまれる。

そして大と雪折くんの関係性が私には少々物足りなかった。事故で右手を損傷し、再び右手でピアノが弾けるかどうかわからない状態となった雪折くんは、海外へと向かう大からの電話を切ったあと号泣するのだが、彼がこれからどうするのかは語られない。作曲活動に専念し、大に自分が作った曲を提供するのか、左手だけのピアニストとして再起するのか、はたまた奇跡的に右手が回復し両手での演奏が可能となるのか。大との関係は消滅するのか、続くのか。暴力的に成功への進路を絶たれたクールな天才ピアニストが、世界進出を果たす(たぶん)大と自分の境遇に苦悩し、愛情と嫉妬と絶望がないまぜになった感情など激しく吐露してくれたら、私そういうの大好物だったのだが。公式が個人の性癖など知ったことか。

漫画の原作は面白いと評判なので、縁があったら原作を読んでみたいです。

「RRR」を観て以降、濃い友情に魅了されてしまってしばらく抜けられそうにない。思えばドンブラザーズのタロウとソノイもドスティーだった。でも今週からはキングオージャーだ。キングオージャーもきっと面白いに違いないんだが、あかんドスティー不足や…


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