さくらちゃんはパウチのごはんを必ず残す(それをトラちゃんが全部食べる)のであまり育っていないのではないかと心配したが、体重を測ったら4kgあり、動物病院の院長先生からは「決して小さい方ではないですよ、むしろ大きいくらいです」と頼もしいお言葉をいただいた。トラちゃんが7kgあるので比較対象が大きすぎたようだ。
トラちゃんはがっちり骨太で胸筋がむきむきしている。力を持て余し、最近では鍵のかかっていないサッシをこじ開け脱走するようになってしまった。勝手に出ていかれるぐらいならとハーネスを購入し、父が昼間散歩に出るようになった。父が「行くぞ」と声をかけると、トラちゃんは父がハーネスをつけやすいように背筋を伸ばしてスンとする。人間の言葉がわかるのではないかと感心するが、どういうわけかハーネスからすっぽり体を抜くのも得意であり、二つ名は縄抜けのトラである。
人間が寝静まる午前零時、爪で廊下の床を切りつけながら暗闇を走り抜けチープなスリルに身を任せるGet wild猫。朝方人間がトイレに入ると「開けんかいコラ」と言わんばかりに扉をバンバンと叩いて朝ごはんを要求する猫。良い。良いのだ。ちょっとだけたれている猫のお腹をむにむにすると人間は幸せになるのだった。
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前回の日記から今日にいたるまでに4本の映画を観た。
・「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
ベトナムからボート・ピープルとなって密入国した陳洛軍(chàhn lokgwān)が逃げ込んだ先は巨大なスラム街・九龍城砦だった。住民に受け入れられ、仲間に出会い、友情を深める洛軍。しかし彼の出自が明らかになり、物語は怒涛となって九龍城砦を飲み込んでいく―
龍兄貴〜〜〜〜!!!!!うわああああああ!!!!!!
画面狭しと縦横無尽に駆ける超弩級のアクション。音楽川井憲次先生。愛とか友情という単語では表しきれない人の絆。とにかく最高だった。
全員は甚だしくかっこいいのだ。狭い路地でバイクをぶっ飛ばし、くたびれたシャツの袖をまくり上げ、帳簿をつけている姿すら美しい信一。掘っ立て小屋でぼんやりとする横顔は芸術品だ。戦闘シーンでは口に咥えたナイフの中から小さいナイフを出してみせるなど、絶えず画面から言外に「こういうの好きでしょ?」と言われている気がした。好きっす。顔に傷があるからとマスクをしていた四仔、マスクつける必要ある?!彼の棒読みの日本語が微笑ましすぎてにやけてしまう。劇中で傷のない頃の四仔は全盛期のトシちゃんに喩えられていたが…あの…絶対トシちゃんより男前ですよね(小声)
非道の限りを尽くし徹底的に倒すしかない強敵の王九は硬すぎてたまげた。気功は健康法だと思っていた。おかげさまで早朝の公園で気功をたしなむお年寄りを違う目で見てしまいそうだ。
アクション監督の谷垣氏によると「主人公が4人で1人の敵をやっつけるなんてヒーローじゃない」という意見があったようだ(※リンクを貼っておきます)。そうか?ヒーローが最強の敵と戦うときは仲間との関係性こそ見どころではないか。私がスーパー戦隊シリーズを毎週観続けている理由がそこにある。信一の「勝つ時は一緒、負けるときも一緒だ」というセリフには滾った。
おおよそネットでの呼び方は「トワウォ」のようだ。原題は「九龍城寨之圍城」でトワイライトのトの字もない。少々脱力してしまうが、中国語の発音が日本語にないので誰もが呼べるタイトルが必要なのだなと思った。「九龍」は世間一般でなんとなく「クーロン」と読まれるが、中国語でそんな読み方はない。あれはどこからきたのだろう。また広東語の発音は普通話とは全く異なる。数字をとっても
一[yāt] 二[yih] 三[sāam] 四[sei] 五[ńgh] 六[luhk] 七[chāt] 八[baat] 九[gáu] 十[sahp]。中国語の世界は広くて深い。
私も香港で照り照りの叉焼飯を食べてプーアル茶を飲みたい。そう思っていたら小松ー香港便が復活した。これは香港に行けという神のお告げではないか?賞与が出たら考えよう。
・「A/Z アルドノア・ゼロ(Re+)」
地球で暮らす人々が、驚くべき科学技術で軍事力だけは長けている火星の人類と知力で戦う物語。10年前に放送されていたテレビアニメの総集編に、新作アニメ「雨の断章」が加えられた。幸運にも石川県の映画館でも上映されていた。10年ぶりに観ても色褪せない伊奈帆くんの天才っぷり。澤野弘之氏の音楽が非常にカッコ良い。映画館で観ることができてよかった。
このアニメで興味深いのは「反目していた二人が最後は火星の姫様のために力を合わせ、互いに背中を預けて戦う」展開には全然ならなかったこと。また、主人公二人と姫様の間に恋愛感情が芽生えないどころか、姫様は誰だったか思い出せないような登場人物とさっさと婚姻を結んでしまうこと。アルドノアの世界で結婚とは政治的手段なのだ。伊奈帆くんとスレイン君でファイト一発なロボットアニメだったら(それはそれですごく見たいのだが)、彼らと姫様ですったもんだなロボットアニメだったら(まぁ揉めてはいるんだけど)、10年後にこの作品を覚えていなかったのではないか。TV版はスレイン君がとにかくかわいそうな終わり方をしたが、新作「雨の断章」には救いがあった。雨の表現が非常に美しくて印象的。またスレイン君の「二号影」がたいそう色っぽくて好(ハオ)。
・「パリピ孔明THE MOVIE」
ハロウィンの渋谷に転生した諸葛孔明がインディーズの歌手に出会い、彼女の歌で天下泰平を目指すお話。おディーン様(劉備玄徳)がおもむろに中国語で歌い出したので私はあやうく心臓発作で死ぬところだった。美しすぎる。「天下泰平(tiān xià tài píng )」ぐらいしか聞き取れなかったため今年こそ中国語をまじめに勉強しようと心に誓った。
孔明が夢に見るのは我が君が三顧の礼に訪れたときのこと。夢の中で門をくぐったら今度こそ死ぬのではないかと恐れる孔明。いや、それよか「これ好きなんだよね〜!」と満面の笑顔でドーナツを頬張り足をバタバタさせる劉備を見て死なずにいられる孔明がすごい。私はKAWAII玄徳に天国を見た。
なおLINEミュージックに「パリピ孔明THE MOVIE公開記念プレイリスト」があるとSNSで親切な方から教えていただき、さっそく「Count on me Duet ver.」のEIKO&劉備バージョンを聞いた。意識が飛んだ。ありがたいありがたい。南無。
後半は宮野真守MCによるライブなのだが(彼も歌ってくれたら良かったのにな)、マリア・ディーゼルが歌い出した途端、ウメ子先生の最晩年の日々が眼前に蘇り涙が止まらなくなってしまって困った。TVドラマのパリピ孔明はウメ子先生と見ていた。最終回の放送日、ウメ子先生は旅立たれた。あの日の夜は何も手につかないまま呆然と最終回を流していたのだった。久しぶりにウメ子先生に会わせてくれたマリア・ディーゼル、いやアヴちゃんさんの歌声はすごかった。音楽って素晴らしい。
・「教皇選挙」
ローマ教皇が死去した。新教皇を決める教皇選挙(Conclave:コンクラーベ)を仕切ることになったローレンス枢機卿。投票の3分の2以上得票できなければやり直し。全員なにかしらの思惑を持って選挙に臨んでいるのですぐにまとまるはずもない。苦悩するローレンス。次の教皇に誰が一番ふさわしいのか―
現実でローマ教皇が亡くなり、この映画を観るなら今しかないと鑑賞。そういう人が多かったようで映画館の席もけっこう埋まっていた。
荘厳な儀式、美しい衣装、赤と黒と白で彩られた絵画のような画面の中で英語・イタリア語・スペイン語・ラテン語が飛び交い、おじさんたちの足の引っ張り合いが繰り広げられる。話が進むにつれ、もうローレンス枢機卿が教皇になるしかないじゃん、という気持ちになったところで大聖堂をぶち抜くPlazma。めでたく新しい教皇が決まった!―のあとに判明する事実。密室劇は映画館で観てこそ没入できる。事前知識がなにもない状態で鑑賞したが最後まで面白かった。
加えて選挙の裏方で働くシスターの「私達は目に見えない存在です。ですが神は目と耳をくださった」というセリフが頭から離れない。とかく名前を呼ばれず、透明な存在にさせられがちな仕事をしているせいか、深く余韻が残っている。
さて本物の教皇選挙に向けてシスティーナ礼拝堂に投票用紙を燃やすためのストーブが設置されたそうだ(5月5日のニュースより)。どんとこい教皇選挙。オラワクワクしてきたぞ!
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連休中はウメ子先生の法要を行っているペット霊園で年に一度の慰霊祭に参加した。ウメ子先生の名前が書かれた卒塔婆をしみじみと眺め、お焼香をしてウメ子先生に手を合わせた。ウメ子先生が亡くなって1年半になるがいまだに納骨ができず、法要のたびにウメ子先生のお骨とともに霊園に行き、終わると連れて帰ってきている。トラちゃんとさくらちゃんはウメ子先生のお仏壇にお供えしているお水をなぜか美味しそうに飲むので、お供えする水をミネラルウォーター(軟水)にした。猫のいる日常のありがたさをしみじみと感じている。



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